粒界分離分析のAPT試料調製の改良
- アトムプローブトモグラフィー (APT) は、三次元の化学組成と原子スケールでの画像化を提供する材料分析技術で、粒界分離分析に適しています。
- APT分析には、非常に鋭い先端を持つ試料を準備する必要があり、粒界を分析するには、効率的な特性評価を行うために、これらの境界が試料先端部からおよそ200 nm以内にあることが求められます。
従来のAPT試料調製
電解研磨と透過電子顕微鏡 (TEM) による分析を用いたAPT用の従来の試料調整、または収束イオンビーム (FIB) を用いた調製は、問題点があることが多く、非効率的です。
Atom Probe AssistはAPTの先端のt-EBSD測定用に最適化されています
Atom Probe Assistでは次のことが可能です:
- 現場特有のFIBの引き上げサンプリングのために、ランダムな粒界に黒い影がつけられ、特別な双晶境界に白い影がつけられた、異なる粒界のタイプ (左下) を同定する。
- リング状のFIB加工手順の間の粒界の位置を決定する (右下)。
スマート t-EBSDパターン収集
- 円錐形のAPT試料は、試料の厚みと形状が常に変化するため、有用なt-EBSDパターンの収集に、固有の困難を伴います。
- 画像の質を高めて、APT試料の薄い領域 (左下) と厚い領域 (右下) の正確なバンド検出とパターン指数付けを行えるよう、特殊なバックグラウンド補正が開発されました。
- 要求される情報を得るのに必要な時間と労力を節約するために、検出器の収集パラメータもt-EBSD収集用に特別に最適化されています。
装置中の試料の条件
- Atom Probe Assist には、円柱状の試料をAPT分析に必要な寸法に作るために使用する、FIB-SEMが必要です。
- 試料の先端がFIBビームと平行になるように、装置の中に試料を配置します。
- この構成により、試料を動かす必要なしに、FIB加工、SEM画像化、およびt-EBSDデータ収集を行うことができます。
- これにより、2つの機器の間を移動させる際に生じる損傷リスクが排除されるため、試料の収率が増加します。
粒界コントラストの強化
- t-EBSDマッピングにより、粒界位置を決定します。
- 各FIB加工手順の間にこのデータを収集することで、粒界の位置を検出してモニターできます。
- 粒界が試料の先端から必要な距離内にある場合は、試料のアトムプローブ分析を行う準備ができています。
- 粒界の位置を素早く特定し、試料の汚染を最小限にするために、マップを短時間 (約3分) で収集することができます。
粒界検証
- 関心のある試料の粒界データ特性を決定するために、Atom Probe Assistを使用して試料から従来のEBSDデータを収集することもできます。
- タイプの異なる粒界は、異なる分離行動を見せるため、粒界分離問題を理解するために、粒界特性情報が重要になります。
- これは異なる材料特性の振舞いとして解釈され、粒界特性を明らかにすることで、アトムプローブの準備と分析のために、特定の粒界を容易に標的にすることができます。
Hikari Plus EBSDカメラにはAtom Probe Assistが使用されています
- 最速1,000点インデックス/秒のデータ収集速度
- 方位精度 < 0.1°
- 質の高いEBSDおよびt-EBSDパターン収集を可能にする低ノイズ検出器
- 高速/高感度操作のために最適化された蛍光スクリーン
TEAM™ EBSD ソフトウェアにはAtom Probe Assistが使用されています
- カスタマイズされた Atom Probe Assist データコレクションモード
- 透過-EBSDモード
- ダイナミックデータ収集パラメータを整合的に最適化するスマートシステム
- 最低1 nmまでの自動またはユーザー定義ステップサイズのカスタムマップ形状
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