OIM Matrixソフトウェアは、試料の結晶系に基づき、可能性のあるすべての結晶方位の EBSD シミュレーションパターンをライブラリとして作成することができます。新しく開発されたDictionary indexing法では、実際に収集されたEBSDパターンとこのライブラリとを比較し、最もフィッティングの良いパターンの結晶方位を得られたEBSDパターンの結晶方位とします。このDictionary indexingの特徴は、標準的な Hough 変換に基づいた指数付け法では指数付けできないようなノイズの多いパターンでも指数付けすることが可能となります。
OIM Matrixソフトウェアは、EBSDデータ解析ソフトウェアとして最も定評のあるOIM Analysisソフトウェアのオプションとして構成されます。このDictionary indexing法とOIM Analysisのパーティション機能を組合せ、Hough変換法ではうまく指数付けできなかった部分の指数付けに使用することも可能です。 この機能は、より高品質の EBSD マッピングデータを取得するための新しい方法ということができるでしょう。
さらにもう一つの特徴的な機能として、マテリアルデータの最適化を自動的に行うことが可能となります。これはすべての結晶系に対応できるOIM Matrixソフトウェアにより作成されるシミュレーションパターンが、実際のEBSDパターンとほぼ同じであることを利用します。つまりこれらのパターンのバンドの強度からHough変換法による指数付けで必要となるマテリアルデータの回折面の情報を自動的に最適化することが可能となります。これまで新しいマテリアルデータの作成は、多くの経験や慣れが必要とされていましたが、この機能により誰でも簡単にマテリアルデータの作成が可能となります。
機能と利点
- 動力学的回折理論に基づいたEBSDシミュレーションパターンの作成
- Dictionary indexing法によるパターンの指数付けと結晶方位の算出
- マテリアルデータの最適化
追加資料
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